ノンハラル

こんにちは、ETA事務局です。
この前ニュースを見ていたら、デリバリーサービスの配達員が、あきらかにハラムなもの(豚やアルコールなど、イスラム教で許されないもの)を配達することに苦しんでいるという問題が取り上げられていました。

 

イスラム教で許されるものをHalal、許されないものをHaramと言います。ハラムというとかなり語調が厳しくなるというのもあってか一般的にハラルでないもの、として、Non-Halalと言われることが多いです。

 

コロナ渦で一気に需要の増えたデリバリーサービス。
日本に比べ、配達手数料も安く、登録しているお店も多いため、気軽に利用できます。
しかし、マレーシアの配達員の多くはイスラム教徒なので、豚やアルコールの注文が入ると、配達するために、本来触れてはいけないものに触れなくてはならない、万が一配達中にデリバリーバッグの中でこぼれたらそのバッグは使い物にならなくなる、と、多くの配達員を悩ますことになってしまったのです。

 

マレーシアで生活していると、あらゆるところで、宗教・慣習の違う人たちがお互いに気持ちよく生活できるようにするための工夫、配慮がなされていることに気づきます。

 

例えば、スーパーではノンハラルコーナーが設けられており、豚肉、豚の入った加工品はこのコーナーにまとめられていて(お店によってはお酒もこちら)、コーナー内の専用レジで支払いを済ませます。

ここはノンムスリムの店員が対応していて、通常のレジでムスリムの店員が豚に触れることのないようにしています。

 

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他にも、共有スペースにおかれた電子レンジや冷蔵庫がハラル用・ノンハラル用でわかれていたり、BBQ施設では豚禁止(または豚専用に自分たちで網持参)だったりしますし、ホテルなどでも利用規約欄にNon-Halalなもの持ち込み禁止、と記載があったりします。

 

冒頭にあげたデリバリーサービスは、配達員の希望に沿ったオーダーが入るようなシステムにしたり、受けたオーダーがハラムだったら配達をキャンセルしてもよいといった配達員を守る制度を整えているそうです。

 

このように、問題が生じる度に、両者の権利を尊重しながら制度が整えられていき、またマレーシアの人たちが互いに配慮する習慣がついているからこそ、その制度が受け入れられ、それが“当たり前”になっていくのだと思います。

 

機会を得てマレーシアで生活している今、マレーシア社会に根付いたこのような良い習慣や考え方を私も取り入れていきたいです。

 

 

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